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ドローンで事故が発生してしまった場合の責任

近年、ドローンの普及が進み個人で楽しんだり、農薬散布や建設業の測量や建物の点検など事業の面でも幅広い用途に活用されています。その反面、増えるのが事故のリスクです。ドローンが墜落して人や物に被害を与えてしまった場合、どのような責任が発生するのか知っておきましょう。

どのような責任が生じるか?

ドローンで事故が発生してしまった場合、接触して物を破損してしまったり、人に怪我をさせてしまったりすると、責任が生じるような事故になります。ドローン事故の法的責任は一般的に以下の3種類あります。

  1. 民事上の責任
  2. 刑事上の責任
  3. 行政上の責任

1 民事上の責任

ドローンが人や他人に損害を与えてしまった場合には、被害者(建物の場合はその所有者など)に対して損害賠償責任が発生します。
では、損害賠償責任を負うのは誰か?ということになります。損害賠償請求の対象になるのは以下のような人が考えられます。

Ⅰ・ドローンの操縦者
Ⅱ・ドローンの操縦者が所属する企業
Ⅲ・ドローンの製造業者(メーカー)
Ⅳ・ドローンの操縦を依頼した企業

Ⅰ ドローンの操縦者

民法709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う

民法より引用

民法の規定によりドローン事故により第三者に損害を与えてしまった場合、ドローンの操縦者は、「不法行為責任」を負う可能性があります。
「不法行為」とは、故意(わざと)あるいは、過失(不注意)によって、他人の権利や利益を違法に侵害する行為のことをいいます。
ドローン操縦者に、不法行為責任が認められるためには、その操縦者に「故意」または「過失」が必要です。

「故意」がある。操縦者がわざと人や物にぶつけた場合は責任を負うのは当然です。
「過失」は操縦者の不注意でやってしまう場合です。例えば以下のような場面が考えられます。

  • 強風の中ドローンを飛行させた場合、ドローンのコントロールができなくなることを知っていながら操縦した。
  • 長時間飛行させてバッテリー切れが予測できた場合。

一方、天候に問題なく飛行させていたが、突然の雷雨や強風によってドローンが落下したようなケースでは、ドローン操縦者に過失はなく、責任は生じないことになります。

Ⅱ ドローンの操縦者が所属する企業

民法715条1
ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りではない。

民法より引用

この規定は「使用者責任」と言われるものです。ドローン事業を行う企業が従業員にドローンを操縦させ、その結果、事故が発生して人や物に損害を与えた場合は操縦者だけではなく、使用者である企業も責任「使用者責任」を負うのが原則です。
なお、但し書きにもあるように、「使用者責任」には例外もあります。つまり、企業が従業員の選任と監督について相当の注意をし、ドローンの操縦者をしっかり監督していた場合は企業は責任を負いません。

Ⅲ ドローンの製造業者(メーカー)

製造物責任法3条
製造業者等は、その製造、加工、輸入又は前条第三項第二号若しくは第三号の氏名等の表示をした製造物であって、その引き渡したものの欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が当該製造物についてのみ生じたときは、この限りでない。

製造物責任法より引用

製造物責任が認められるためには「製造物の欠陥によること」「他人の生命身体又は財産を侵害した」の2つの要件が必要です。

欠陥」とは、その製品が普通なら備えているはずの安全性を欠いている状態をいいます。例えば、購入したドローンを普通に使用していただけなのに、それすら耐えられないような仕様・設計だったためにドローンが墜落したような場合には、製品について「欠陥」があるといえます。製造メーカーは、ドローン墜落によって発生した損害の賠償責任を負わなければなりません。

Ⅳ ドローンの操縦を依頼した企業

例えば、ある企業がドローンのイベントを主催した場合。
主催者から依頼された企業の従業員である操縦者がドローン事故を起こし、第三者にケガなどの損害を与えてしまった場合、その責任は原則として操縦者やドローン企業が負います(不法行為責任・使用者責任)
ただし、ドローンが墜落した場合に、墜落して損害が発生する可能性が高い区画に第三者を立ち入らせた、主催者が飛行ルートを変更し、そのルートが不適切であった場合は主催者も責任を負います。

2 刑事上の責任

「民事上の責任」は個人と個人、個人と法人、法人と法人の賠償(お金)の問題ですが、「刑事上の責任」は法律違反をした人にたいして国が罰を与えるものです。

故意によって事故を起こした

ドローンで故意に人にぶつけた場合 「暴行罪」
ドローンで故意に物にぶつけた場合 「器物損壊罪」

過失によって事故をおこした

ドローンで過失によって人に損害を与えた場合 「過失傷害罪」
ドローンで過失によって人が死亡した場合   「過失致死罪」

業務中の事故の場合であれば「業務上過失傷害罪」「業務上過失致死罪」

刑事上の責任は刑法だけに限られず、航空法、電波法違反の場合も懲役や罰金の責任が科せられます。

主な罰則
刑法

  • 傷害 最大15年の懲役または50万円以下の罰金
  • 暴行 最大2年の懲役または30万円以下の罰金
  • 過失傷害 最大30万円以下の罰金
  • 過失致死 最大50万円以下の罰金
  • 業務上過失致死傷 最大5年の懲役または100万円以下の罰金
  • 器物損壊 最大3年の懲役または最大30万円以下の罰金

航空法

  • 飲酒時の飛行 最大1年の懲役または30万円以下の罰金
  • 禁止空域の飛行 50万円以下の罰金
  • 禁止された飛行方法 50万円以下の罰金
  • 飛行に影響を及ぼす行為 30万円以下の罰金

電波法

  • 不法無線局の開設 1年以下の懲役または100万円以下の罰金

3 行政上の責任

「行政上の責任」とは社会的な秩序を満たした場合に、許可や承認、免許の取り消しなどの処分を行政機関から受けることです。
2021年3月時点では「航空法」では事故そのものに対する行政上の責任は定められていません。ドローンで事故を起こしたからと言って飛行ができなくなるわけではありません。
しかし、許可承認を得る際に、審査要領として過去の事故は大きく影響します。許可や承認の審査については①機体の機能及び性能②ドローンを飛行させる者の飛行経歴、知識、技能③安全を確保するための体制の観点で審査しています。
ドローンの事故を起こしてしまうと、審査要領の観点から許可・承認を得ることを難しくさせる可能性があるのです。

今後の動向として「操縦ライセンス制度」の導入を含む改正航空法が閣議決定されています。
操縦ライセンス制度の概要
操縦ライセンス制度導入後にはドローンで事故を起こすとライセンスの取り消しなどの処分を受けることも想定されます。

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投稿者:村上行政書士事務所